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気分障害

楽しく機嫌の良い状態の感情や、逆に落ち込んで鬱々としていたりする感情のことを「気分が高揚している」「気分が沈んでいる」などと表現します。気分の状態が極端になりますと、躁状態やうつ状態といった病的な気分の状態と判断されます。


(単極性)うつ病

極端に気分が落ち込んだり、興味や関心のない状態が、2週間以上持続している状態を、一般的にうつ状態といいますが、躁状態が見られずうつ状態のみが見られる気分の病的な状態を、(単極性)うつ病と診断します。うつ病の原因としては、もともとの性格や体質に加え、環境的な因子(職場のストレスなど)が加わって発症することが多いとされています。また、うつ病の状態に陥ってしまうと、脳内のある種の神経伝達物質が減少していることが分かっており、その神経伝達物質を増加させるような薬が、薬物療法で用いられます。
治療は、薬物療法に加え、環境因子が強い場合には休養を取るように指導したり、性格的な要素が強い場合には自らの性格の弱点を理解して対応できるように指導したりします。
職場を一時的に休む場合には、職場の産業医や上司とも連携し、じっくりと治療できるように工夫します。自殺企図がある場合(性格に起因するようなリストカットや大量服薬は除きます)や焦燥感が強い場合、妄想的な場合には、入院加療が必要となることもあります。

双極性障害、躁病、躁うつ病

単極性うつ病がうつ状態のみ現れるのに対して、双極性障害では躁状態も存在します。極端に気分が高揚していて異常に機嫌が良かったり、またはイライラと易怒的だったりする状態が1週間以上続いているときに躁状態といいます。一般的に、躁状態のみ現れる場合を躁病、躁状態とうつ状態の両方が現れる場合を躁うつ病といったりもしますが、1回でも躁状態が現れる場合には、一括して双極性障害や躁うつ病と診断することが普通です。
躁状態となると、睡眠が減り、いつも活動的で多弁になったりします。極端にお金を使い込んだり、高いものを沢山買ったりします。爽快で開放的な気分の時と、イライラと易怒的になる時があります。また、双極性障害の場合は躁状態以外にうつ状態になることもありますので、まるで性格が違うかのうような2つの状態を行き来することになります。
治療としては、薬物療法が中心です。また、躁状態となり興奮が強い場合には、入院が必要となります。